お客様の声

Vol.12

コレカラ堂

福祉はクリエイティブで面白い仕事。
「誰かに必要とされる」を、
もっと作りたい。

  • #東京都
  • #新規開所
  • #軽作業

精神科クリニックで働いていた元同僚お2人で立ち上げた、就労継続支援B型事業所「コレカラ堂」様。開業への背中を押したのは 1冊の本でした。初めは慣れない業務で苦戦するも、改めて気付いた福祉のやりがいや楽しさがあったそうです。これから新規開所を考えている方、福祉業界で働こうという方にも是非読んでいただきたいお話です。

01 背中を押してくれた1冊の本。

鈴木さん:

私は足立区内の精神科クリニックに約18年勤めていたのですが、「精神疾患がある方を別の形でサポートする何かをやりたい」という思いがあり、以前同クリニックに勤務していた元同僚(高井)と、2014年にここを立ち上げました。私は代表理事でありサービス管理責任者、高井は理事であり施設長というツートップ制にして1人の考えに固まらないようにしました。主に精神疾患のある方の支援をしていて、利用者さんは布製品の製作、パソコンを使用したスキャンならびにPDFファイル化、委託された軽作業などを行っています。なぜ就労継続支援になったかというと、「日本でいちばん大切にしたい会社」という本がきっかけになっています。

鈴木さん(代表理事・サービス管理責任者・精神保健福祉士・公認心理師)

知的障害の方を雇用したチョークを作る会社のお話に、「幸福とは①人に愛されること、②人に褒められること、③人の役に立つこと、④人に必要とされること。そのうち②③④は働くことによって得られる」。という一文があり、この言葉に大きな影響を受けたからです。「働く」ということを通して必要とされていると感じられる場を、と考えて「就労継続支援」に辿り着きました。
とは言っても、ボランティアではないので事業としてどれだけやれるのかという葛藤もありました。事業所も、利用者さんも、誰かの役に立つことをして、きちんと稼ぐという考えを持つことは大切だと思います。

02 書類作成時間を4時間→20分に削減。

鈴木さん:

初めてなので本当に手探りの状態からスタートしましたが、書類の作成に取られる時間は予想以上に多かったです。勤怠管理は利用者さんに紙のタイムカードを打刻して頂き、月末に回収したものを手入力していたので、とても時間がかかりました。そして、ミスをして後で修正の時間をとってしまうということも多かったです。毎月、請求業務をする日は始発で来て、書類作成に3~4時間かけていたのでとても大変でした。ノウビーを導入して、現在は20分くらいになっています。
出退勤のシステムは、一般的な企業だとシステムで管理するのが普通だと思うので、利用者さんがそのやり方に慣れておくという意味でも良いと思います。タブレットをタッチすること。小さなことですが、就労をゴールとした時に、時代に乗り遅れないような経験が大事だと思います。
あったらいいなと思うのは退所した方の情報を残しておけるシステムです。利用者さんが移った先の会社の方からアドバイスを求められることもあるので、ここを辞めた後でも継続して情報を残しておけるととても良いと思います。

03 生まれた時間で考える「本来の支援」。

鈴木さん:

工賃の計算や勤怠に関することも「自分で何とかしなくては」という不安が大きかったのですが、ノウビーを導入して悩む時間が減りました。「この作業ならば、このくらいの時間で終わる」という見通しが立つようになり、残業も減っています。
やはり私たちの本来の業務は、事務作業ではなくて利用者さんの支援なのです。
就労継続支援の大きな役割は「機会の提供」だと思っています。「働く機会」「人と関わる機会」「一緒に楽しいことをする機会」「悔しい思いをする機会」「失敗する機会」「立ち直る機会」など。そのようなことを丁寧に行うことが支援だと感じています。事務作業の見通しがつくようになったことで、支援に割ける時間がより多くなったと感じています。たとえば利用者さんの就職活動に同行することもあるのですが、先方からは「今後も支援を続けられるのですか?」「何かあったら連絡して良いですか?」と聞かれることがあります。やはり就職先からすると、利用者さんの支援をする人が周りにいるかどうかがとても重要らしいのです。実際に、就職先で何かあったら連絡をいただくようにしています。利用者さんとも定期的に連絡をとって状況を聞くなどサポートをしています。利用者さんに対しては「もし上手くいかなかったとしても、また帰って来ることができますからね」と思っているので、ここを退所されても繋がりを持って支援していきたいです。

04 福祉は、想像以上に
クリエイティブな仕事。

鈴木さん:

ここを立ち上げるとき、ある事業所の施設長の方に「この仕事はクリエイティブで面白いよ。」と言われました。私はこの仕事がクリエイティブというイメージは持っていなかったのですが、後になってその意味を噛みしめました。「この仕事をやってみたら?このイベントをやってみたら?この支援をやってみたら?」など、とても想像力を使います。そこから行動して結果が出て確認して。そしてきちんと何かが自分に返ってくる。失敗も含めてですが。大変なこともありますが自分たちで創り上げていく面白さを感じています。利用者さんと一緒にいると、病気や障害があったとしても決して弱者ではないと強く感じますし、学ぶことが沢山あります。お互い様、で協力しあって仕事ができるのもこの仕事の魅力だと思っています。

以前、私がクリニックに勤めていた時に利用者さんに助けてもらったことがあったのですが、その時に私から「あなたがいてくれて良かった」とお伝えしたのです。そうしたら、「10年前にもあなたは同じことを言ってくれた。僕の人生で2回もそんなことを言ってくれた人はあなただけだから、このことをずっと忘れない。」と言われたのです。この時、「あなたがいてくれて良かった」と言われる体験には、人生を豊かで喜びに溢れるものにする力があるのだと強く感じました。

私はこの言葉を言われ、感謝したりされたり、誰かに必要とされることを実感する機会というのはとても大切なものなのだと思いました。障害があってもなくても働き手として誰かの役に立つ場・社会の役に立つ場を作りたいという気持ちがあるので、将来はもっとこのような場を増やしていきたいです。

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  • 法人名: 一般社団法人コレカラ
  • 事業所名: コレカラ堂

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