TANOSHIKA CREATIVE
ひとつずつ問題を紐解き、
繋がれば、福祉業界は変えていける。
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今回は「医療連携室」など画期的な施策を手がける、就労継続支援A型事業所「TANOSHIKA(運営:株式会社SANCYO)の皆様を取材しました。利用者のため、医師・他事業所など、立場や制度を超えて連携を図り、様々な福祉業界の課題をひとつずつ解決し ていく。その大きな視点でのお話、更には今後のknowbeへの期待まで語っていただきました。
01 目標に向かって、選択肢は多く、流動的でいたい。
嘉村さん:
うちは農業に特化した「TANOSHIKAFARM」をはじめ、2017年に立ち上げたIT関連業務の「TANOSHIKACREATIVE」、2019年に立ち上げた清掃業務関連の「TANOSHIKACLEAN」があり、様々なジャンルから仕事の選択肢が提供できる状態です。例えば、利用者さんが「家が近いから」みたいな理由で事業所を選んでしまうと、結果的に退所に至る確率が高かったりするんですよ。農業に来たけどパソコンを使う仕事がしたいとか、パソコンがしたくて入所したけど実は体をちょっと動かしたい、みたいな要望もありますし、流動性がある方がいいんですよね。利用者さんの特性や要望に合わせて選んでもらえます。
やっぱり自分のやりたいこと・目標がきちんとフィットしつづけられる事業所の方が長く続くので、やりがいがあって一般就労に行く過程で特性に合う業種であれば、どんどん新しく作るべきだと思っています。
嘉村さん(代表)
なので、採用のときには結構ヒアリングします。場合によっては別の事業所さんを勧める場合もありますね。それぞれの事業所の存在意義やミッション・ビジョンてあるじゃないですか。うちはmissionの「働きづらさ」や「生きづらさ」のない世の中を創るというのが根本にあります。一般就労にコミットして、ひたすらそこの解決をしてるんですね。一般就労でも転職が当たり前になっているように、その利用者さんに合った事業所は絶対にありますから、それを変に囲い込んだりはしません。
02
ノウビーは「仕事の見える化」にも
非常に効果的。
嘉村さん:
事業を拡げていく上で効率化は欠かせないのでノウビーを使い始めたんです。一番大きな理由としてはパートさんを定時通り帰宅できるようにしたかったこと。うちは議事録とケア記録、両方作っていて負担が大きかったんですよね。日中に書ける範囲は書いたりするんですけど、やっぱり次々と書くべきことが起こるんで結局後半に全部書くようになってたんです。手書きよりパソコンで入力できるようになって、だいぶ効率化できたと思います。
あと、サービス管理責任者は個別支援計画の更新や営業など、やることがいっぱいあるので、請求業務を減らしたかったんですよね。仕事内容を棚卸しするためにもノウビーは非常に効果的。結構、サービス管理責任者の業務内容ってブラックボックス化してしまいませんか...?何をやってるのか見えづらいし、その人が辞めた時にすごく困ったりトラブルの原因にもなる。責任者になった人の初めての仕事は「次の責任者を育てること」だと思うので、棚卸しをしてスムーズに業務を移行させ、2・3年くらいで次のポストに移って欲しいって考えていますね。
03 事業所同士・医療との連携にもアプローチしていく。
嘉村さん:
1つの事業所だとなかなか大きい仕事が取れないので、事業所同士の連携が大事だと思うんです。農業の仕事をいただくときも、最初は5~6人しかいなかったんですけど、10の事業所が集まれば100人いますって言えるわけで。そうやって「自分のところだけ」っていうのはやめにして、事業所同士で手をつなぎあったほうが生き残れるんですよね。
また、「利用者さんのためにもっと地域で包括的な支援をやろう」となって、医療連携室という部署を自社に新設したんです。やっぱり、医療と福祉ってなかなか連携が取れていないことが多い。これは社会保障が違ったりとまだまだ課題があるのですが、例えば医師が「a」って言っているのに、私たちは「b」って言うことがよくあったんですよ。私達は利用者さん達の情報を適切に提供するしか出来なくて、医師はその情報をもとに適切な診断を出す。それが利用者さんのためには一番いいじゃないですか。そのために、地道に医師一人ひとりと話を重ねて、信頼を得ていきました。「利用者を助けたい」という双方の想いはもともと一緒なんですよ。構造上の問題でできていないだけで、ひとつずつ紐解いていくと実はできることっていっぱいあるなと気づきました。
04
業界全体の温度を上げることが、
利用者さんのためになる。
嘉村さん:
例えば今後、ノウビーがきっかけで契約している事業所さん同士がもっと繋がっていくと面白いですよね。今回の取材がきっかけでもいいし、ノウビーを通じたきっかけでもいい、他の魅力的な取り組みをされている事業所さんに会いにいけるといいなと。福祉事業所って僕たちも含めてPRが苦手な面もあるので、知ってもらうことで色んなところに勉強に行けるし、もっと活発に活動できるし、一緒になって切磋琢磨していけるんじゃないかと。オーソドックスなお手本って福祉業界にはあまりないので、福祉的な観点は満たしつつ他業界にもアクセスできるジェネラリストみたいな人が増えてもいいかなということも思っています。日本の障害者雇用数って50万人しかいないんですよね。まだまだ福祉業界の可能性は大きいですし、まだまだリーダーも足りないと思います。業界全体の温度を上げることで、健全な競争が生まれた結果、利用者さんに還元できることがもっともっと増えていけばいいですね。
フォトギャラリー
- 法人名: 株式会社SANCYO(さんちょう)
- 事業所名: TANOSHIKACREATIVE
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住所:
〒830-0037福岡県久留米市諏訪野町1-22
ワカナセントラルプレイス5F - TEL: 0942-80-6217