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個別支援計画未作成減算とは?障害福祉サービス事業者向け完全ガイド【原因・対策・予防法】

コラム
更新日:2026年02月19日
目次
個別支援計画未作成減算の基本知識と制度の重要性
個別支援計画未作成減算とは?定義をわかりやすく解説
障害福祉サービスにおける個別支援計画の重要性
減算放置は危険!事業所運営に与える影響とリスク
減算適用条件と減算率【ケース別完全解説】
個別支援計画「未作成」の判定基準
減算期間・減算率早見表
なぜ個別支援計画未作成減算が起きる?事業所でよくある5つの原因
サビ管の退職
計画作成の遅れ
利用者様の募集を開始する時期の集中
利用者様から計画同意を取得する際の課題
指定権者による解釈の違い
未作成減算を防ぐ予防策と運用体制構築
適切な計画作成プロセスの確立方法
関係者間の情報共有と記録管理
サビ管の適切な配置と育成体制
サビ管の退職・不在時の計画作成体制維持方法
計画更新サイクルの適切な管理
もし減算されたら?減算発生時の対処法と過誤手続きの進め方
減算対象が発覚した際の「絶対にしてはいけないこと」と減算対象発覚時の初動対応手順
過誤手続きの正しい流れと必要書類
過誤放置によるリスクと事業所への影響
混同しがちなサビ管欠如減算との違いと同時適用の可能性
サビ管欠如減算の適用条件
個別支援計画未作成減算との相違点
両減算の同時適用ケースと注意点
Q&A よくある質問
Q. 児童発達支援管理責任者欠如減算と個別支援計画未作成減算が月の途中で同時に発生した場合、減算の計算方法は?
Q. 放課後等デイサービスでも利用児童「全員」分の個別支援計画を作成しなければならないのか?
Q. 児童発達支援管理責任者欠如減算を解除するには、代替配置をいつまでに行えばよい?
Q. 月の途中で個別支援計画を作成した場合、当月の減算取り扱いは?
Q. 児童発達支援と放デイを同一建物で運営する場合、減算の計算方法はどう区別する?
まとめ:適切な個別支援計画運用で安定した事業所経営を実現

※この記事は2025年10月時点の情報で作成しています

「個別支援計画、ちゃんと作れてるかな?」

利用者様の支援に奔走するなかで、そんな不安に駆られることはありませんか?

個別支援計画の作成・更新サイクルは複雑で、サービス管理責任者(以下、サビ管)の業務負担も大きく、適切な管理方法の確立に頭を悩ませている方も少なくないはずです。

しかし、個別支援計画未作成減算を放置してしまうと、事業所の運営に深刻な影響を及ぼし、最悪の場合、経営そのものが危うくなる可能性もあります。

この記事では、個別支援計画未作成減算の基本や減算が起きる原因、具体的な対策・予防法、減算されてしまった場合の対処法について解説します。

最後まで読んで、安定した事業所経営の基盤を築きましょう。

個別支援計画未作成減算の基本知識と制度の重要性

個別支援計画未作成減算の基本知識と制度の重要性

「個別支援計画未作成減算」という言葉を聞いて、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

「どこから手をつけて良いかわからない」「いつまでに何をすべきかわからない」と悩むことも少なくないでしょう。

この章では、個別支援計画未作成減算の基本から、なぜこの制度が重要なのか、事業所運営にどのような影響を与えるのかを、皆さんの疑問や不安に寄り添いながら、ていねいに解説していきます。

個別支援計画未作成減算とは?定義をわかりやすく解説

個別支援計画未作成減算とは、利用者様一人ひとりの個別支援計画を作成していない、あるいは内容が不適切である場合に、障害福祉サービスの報酬が減額される制度です。

障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)では、利用者様の意思やニーズを尊重し、最適な支援を提供するための対策として、個別支援計画の作成が義務付けられています。

参照:厚生労働省「○障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第三条」

個別支援計画の不備は、実地指導において「運営基準違反」として指摘される代表的な項目です。

しかし、事業所の存続に関わるリスクは計画書だけではありません。

一見順調な事業所でも見落としがちな「6つのリスク」と、その予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。減算や返還金を確実に防ぎ、健全な運営を続けるための自社点検ガイドとしてご活用ください。

実地指導で指摘される前に知るべき事業所の「6つのリスク」と予防策

この減算は、厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合に適用されます。

たとえば、新規の利用者様の計画が作成されていない場合や、既存の利用者様の計画の更新が適切に行われていない場合などが含まれるでしょう。

もし減算の対象となってしまうと、本来受け取れるはずの報酬が減り、事業所の収益に直接的な影響が出る可能性があります。

障害福祉サービスにおける個別支援計画の重要性

個別支援計画は、利用者様の現状やニーズ、目標、そしてそれらを達成するための具体的な支援内容を明確にします。

質の高い個別支援計画があるからこそ、一人ひとりの利用者様に寄り添った、質の高いパーソナルな支援が可能になるのです。

さらに、個別支援計画を通じて、提供される支援の質を一定に保ち、支援者間で情報を共有することで、サービスのばらつきを防ぐ役割も果たします。

サビ管を中心に、支援員や看護師、理学療法士など、多職種が連携し、それぞれの専門性を活かした包括的支援を提供するための共通言語となるでしょう。

また、毎月実施する定期的なモニタリングを通じて、月次での進捗確認と評価を行い、計画が利用者様にとって適切か、目標達成にどれだけ近づいているかを評価すれば、継続的に支援内容を改善できます。

個別支援計画を用いて、利用者様やご家族に対し、提供されるサービスの全体像を説明して同意を得ることは、支援の透明性を確保し、信頼関係を築くうえでも重要です。

個別支援計画は、利用者様にとって最適な支援を提供し、事業所のサービスの質を向上させるために作られます。

まさに各種支援サービスの根幹をなす計画だと言えるでしょう。

減算放置は危険!事業所運営に与える影響とリスク

「個別支援計画未作成減算が適用されても、少し報酬が減るだけだろう…」と軽く考えてはいけません。

減算を放置すると、事業所運営に深刻な影響をもたらします。

最も直接的な影響は収益の減少です。

減算は、月額報酬の〇%といった形で適用されるため、利用者様の数が多ければ多いほど、その減額幅は大きくなる傾向にあります。

次に、行政からの指導・監査のリスクが増大します。

一度減算の対象となると、行政は「事業所の運営状況に問題がある」と認識し、実地指導や監査の頻度が高まるかもしれません。

さらに、事業所の信頼性低下も大きなリスクです。

減算情報が公になることはありませんが、行政指導や利用者様からの不満などがきっかけで、地域内での評判が低下する可能性があります。

最後に、職員のモチベーション低下と離職も懸念されます。

減算による収益減は、職員の給与や待遇に影響を及ぼす可能性があるためです。

このような状況が続けば、職員のモチベーションは低下し、結果として優秀な人材の離職につながるかもしれません。

減算は経営を揺るがす大きな要因ですが、実は一見順調な事業所でも、実地指導で指摘されやすい「見落としがちな6つのリスク」を抱えている可能性があります。

減算や返還金を未然に防ぎ、5年後も生き残るための予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。自社の運営体制を点検するためのガイドとしてご活用ください。

実地指導で指摘される前に知るべき事業所の「6つのリスク」と予防策

減算適用条件と減算率【ケース別完全解説】

減算適用条件と減算率【ケース別完全解説】

個別支援計画未作成減算は、事業所の経営に直結する減算です。

減算が適用される条件や、具体的な減算率を理解することは、安定した事業所運営を実現するために不可欠でしょう。

ここからは、具体的なケースを挙げながら、減算の適用条件と減算率を詳しく解説していきます。

個別支援計画「未作成」の判定基準

個別支援計画の「未作成」とは、単に計画書が存在しないことを指すのではありません。

障害福祉サービスにおける個別支援計画は、利用開始から所定の期間内(原則として1ヵ月以内)に作成され、利用者様とご家族からの同意を得て交付される必要があります。

以下のいずれかに該当する場合、「未作成」と判断され、減算の対象となる可能性があります。

減算の対象になる可能性あり!個別支援計画「未作成」の基準一覧

  • サービス利用開始日から一定期間(原則として1ヵ月以内)を過ぎても計画が作成されていない場合
  • 計画は作成されているものの、利用者様またはご家族の同意が得られていない場合
  • 同意は得られているものの、利用者様またはご家族に計画書が交付されていない場合
  • 計画の内容が基準を満たしていない、または著しく不十分であると判断された場合
  • サビ管が不在となり、計画作成プロセスが停止している期間がある場合

参照:厚生労働省「横断的事項について」p17

これらの基準は、個別支援計画が単なる書類ではなく、利用者様一人ひとりのニーズに合わせた支援を効果的に提供する役割を果たしていると解釈できるでしょう。

ケース1:利用者様の計画が存在しない場合の減算率

最もわかりやすい「未作成」のケースとして、特定の利用者様に対する個別支援計画が、定められた期間内に作成されていない場合が挙げられます。

利用者様の個別支援計画が未作成のままサービス提供を行った場合、その月から減算が適用されます。

参照:厚生労働省「横断的事項について」p15

たとえば4月中に計画が作成されていなかった場合、4月分の報酬が減算の対象となるでしょう。

個別支援計画の未作成が3ヵ月以上連続した場合、減算率はさらに厳しくなります。

1ヵ月目・2ヵ月目の減算率は所定単位数の30%ですが、3ヵ月目以降は50%となります。

参照:厚生労働省「横断的事項について」p15

とくに新しく利用を開始する方が多い時期や、サビ管の業務が集中しやすい時期には、計画作成の遅延が起きやすいため、注意が必要です。

計画作成の遅延は、実地指導において「運営基準違反」として指摘される代表的な項目の一つです。しかし、事業所の存続に関わるリスクは計画書だけではありません。

knowbeでは、見落としがちな「6つのリスク」と、その予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。減算や返還金を確実に防ぎ、健全な運営を続けるための自社点検ガイドとしてご活用ください。

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ケース2:サビ管不在による計画作成プロセス停止

サビ管が不在となれば、計画作成プロセスに大きな影響を与え、減算につながる可能性が高まるでしょう。

たとえば、サビ管が月の途中で退職したり長期休暇などで不在となり、個別支援計画の作成・見直しができない状態が一定期間続いたりした場合、その期間中のサービス提供について減算が適用されます。

サビ管の不在により計画が作成できない状態が3ヵ月以上継続した場合も、利用者様個別の計画未作成と同様に減算率が変動します。

1ヵ月目・2ヵ月目の減算率は所定単位数の30%ですが、3ヵ月目以降の減算率は50%です。

参照:厚生労働省「横断的事項について」p15

サビ管の不在は、事業所全体のサービス提供体制に影響を及ぼすため、万が一の事態に備え、代替体制や早めの補充を行いましょう。

計画内容不備による減算適用ケース

個別支援計画が作成されていても、内容が不適切であると判断された場合も減算の対象となります。

単に書類があるだけではなく、「質の高い個別支援計画」の作成が求められているのです。

具体的な不備の例としては、以下のようなケースが考えられます。

  • アセスメントが不十分で毎月の状況変化を把握できておらず、利用者様の真のニーズや課題が反映されていない
  • 支援目標が不明確で、具体的な支援内容や達成度が測れない
  • 支援内容が画一的で、個別性が考慮されていない
  • 定期的なモニタリングや評価が実施されず、計画の見直しが適切に行われていない
  • 関係機関との連携に関する記録(サービス担当者会議など)が不足している

参照:東京都福祉局「令和5年度指定障害福祉サービス事業者団体指導 実地検査で見受けられる事例について」p26-28

これらは実地指導や監査の際に指摘される可能性が高く、改善勧告に従わない場合や、悪質と判断された場合には減算につながります。

計画作成の際には、常に「この個別支援計画は、本当に利用者様のためになっているか」という視点を持つことが大切です。

減算期間・減算率早見表

減算事由

減算期間

減算率

利用者様の個別支援計画が未作成(1~2ヵ月目)

未作成の月から適用

所定単位数の30%

利用者様の個別支援計画が未作成(3ヵ月目以降)

未作成の月から適用

所定単位数の50%

サビ管不在により計画作成停止(1~2ヵ月目)

不在の月から適用

所定単位数の30%

サビ管不在により計画作成停止(3ヵ月目以降)

不在の月から適用

所定単位数の50%

参照:厚生労働省「横断的事項について」p15

この早見表は、あくまで一般的な目安であり、実際の適用条件や減算率は、各指定権者(都道府県や市町村)の判断や、利用者様の状況によって異なります。

ご不明な点があれば、必ず管轄の指定権者に確認しましょう。

減算を回避することは重要ですが、事業を長期的に安定させるには、プラスの収益である「生産活動(売上)」と「受入体制」を強化することが最善の防衛策です。

今回knowbeでは、就労継続支援A型・B型において、新規案件の獲得とキャパシティ拡大によって収益を最大化する戦略ガイド(無料)をご用意しました。減算対策とあわせて、攻めの経営戦略としてお役立てください。

新規開拓ノウハウ×受入キャパ拡大 就労継続支援A型・B型の収益最大化 完全ガイド

なぜ個別支援計画未作成減算が起きる?事業所でよくある5つの原因

なぜ個別支援計画未作成減算が起きる?事業所でよくある5つの原因

個別支援計画未作成減算は、なぜ発生してしまうのでしょうか?

「うちは大丈夫だろう」と思っていても、実は多くの事業所で共通する落とし穴が存在します。

ここからは、実際に多くの事業所が陥りやすい、減算につながる5つの主な原因を、具体的な状況を交えながら解説します。

これらの原因を事前に把握すれば、皆さまの事業所でも同様のリスクを回避し、安定した運営を目指せるでしょう。

knowbeでは、法令遵守と業務効率化を両立し、安定した事業所運営を実現するためのポイントをまとめた「実地指導・監査対策ガイドブック(無料)」をご用意しました。

減算リスクに不安を感じている方は、ぜひ以下の資料をダウンロードして対策にお役立てください。

事業所のリスク軽減と業務削減のためにできること

サビ管の退職

サビ管の退職は、個別支援計画未作成減算に直結するリスクの一つです。

厚生労働省の調査(令和元年)によると、個別支援計画未作成減算が適用された原因のうち、「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者が不在で、作成・更新ができなかった」が最も多く、約半数を占めていました。

参照:厚生労働省「8 各種加算減算の算定状況等の実態調査(人員欠如減 算・個別支援計画未作成減算に関する調査)」p9

サビ管は個別支援計画の作成・変更に不可欠な存在であり、代替できる職員は限られています。

サビ管が退職すると、残された職員は業務の引き継ぎに追われ、新たなサビ管の採用・育成には時間を要します。

その間、個別支援計画の作成・更新業務が滞り、気づかないうちに減算対象となる利用者様が増えてしまうかもしれません。

計画作成の遅れ

計画作成の遅れも、個別支援計画未作成減算の原因の一つです。

個別支援計画の作成は、日々の業務に追われる中で見過ごされてしまう場合があります。

以下のような状況では、計画作成が後回しになってしまうケースが見受けられます。

  • 新規利用者様の受け入れが集中する時期
    新しい利用者様の支援準備に時間を取られ、既存利用者様の計画更新が滞る
  • 繁忙期や突発的な業務
    緊急の対応やイベント準備などで、計画作成に割く時間が確保できない
  • サビ管の業務負担が重すぎる状況
    個別支援計画作成以外の業務(相談援助、多職種連携、事務作業など)が多く、計画作成に十分な時間を充てられない

計画作成が遅れると、未作成状態の期間が長くなり、やがて減算対象となってしまいます。利用者様の個別支援計画は、定期的な見直しと更新が義務付けられているため、忘れないように注意しましょう。

利用者様の募集を開始する時期の集中

新規の利用者様獲得のために、年度末や新年度開始時など、特定の時期に利用者様の募集を集中させる事業所は少なくありません。

ただし、新規の利用者様が集中しすぎると、個別支援計画未作成減算のリスクを高める要因となる場合があります。

新規の利用者様が一度に多数入所すると、サビ管は短期間で多くのアセスメントや個別支援計画の作成を求められます。

計画作成には利用者様やご家族との面談、関係機関との調整など、多くの時間と労力を要するため、サビ管の業務負担は一気に増えるでしょう。

その結果、いつまでに完了すべきか不明で計画作成が間に合わず、減算対象となる利用者様が発生してしまうケースがあるのです。

利用者様から計画同意を取得する際の課題

個別支援計画は、作成するだけでなく、利用者様またはその家族からの「同意」を得てはじめて有効となります。

この同意を取得する際に課題が生じ、減算につながるケースも存在します。

たとえば、利用者様やご家族との予定が合わず、なかなか計画の説明と同意取得ができなかったり、利用者様やご家族が計画内容を十分に理解できないため、同意に時間がかかったりする場合があります。

あるいは、利用者様やご家族が計画内容に納得がいかず、修正に時間を要したり、最終的に同意が得られなかったりするケースも考えられるでしょう。

利用者様やご家族の特性によっては、ていねいで根気強い説明が求められます。

このように、同意のプロセスに時間を要し、計画の有効期間内に同意が得られないまま、減算対象となる場合もあるのです。

指定権者による解釈の違い

個別支援計画に関するルールは、厚生労働省の基準で定められていますが、ルールの解釈は指定権者(各都道府県や市町村)によって微妙に異なります。

この解釈の違いが、意図しない減算につながるケースもあります。

たとえば、「やむを得ない理由」による計画作成の遅れが認められる範囲や、計画内容が「不備」と判断される基準など、指定権者によって指導の厳しさや判断基準が異なります。

事業所としては適切に運用しているつもりでも、実地指導などで指摘を受け、減算となるケースも少なくありません。

このような状況を避けるためには、事業所が所在する指定権者の解釈や指導方針を確認しましょう。

未作成減算を防ぐ予防策と運用体制構築

未作成減算を防ぐ予防策と運用体制構築

個別支援計画未作成減算は、事業所の運営にとって大きなリスクとなります。

しかし、適切な予防策を講じ、しっかりとした運用体制を構築すれば、リスクを最小限に抑えられます。

ここからは、減算を未然に防ぎ、安定した事業所経営を実現するための方法について、詳しく解説します。

適切な計画作成プロセスの確立方法

個別支援計画の作成は、単なる事務作業ではありません。

減算のリスクを回避し、かつ質の高い支援を実現するためには、適切な計画作成プロセスを確立させましょう。

個別支援計画は、以下のサイクルで作成されます。

  1. アセスメント
  2. 計画作成
  3. サービス提供
  4. モニタリング
  5. 再アセスメント

参照:国立障害者リハビリセンター 「個別支援計画作成の手順とポイントについて」p24

このサイクル(アセスメント〜モニタリング)が適切に記録されていないと、減算だけでなく実地指導において「運営基準違反」として厳しく指摘される恐れがあります。

計画作成の不備を含め、一見順調な事業所でも見落としがちな「6つのリスク」とその予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。

正しいプロセス構築とあわせて、実地指導に備えるための自社点検ガイドとしてご活用ください。

実地指導で指摘される前に知るべき事業所の「6つのリスク」と予防策

アセスメントでは、利用者様のニーズや課題、目標などを多角的に分析します。

情報を集めるだけでなく、利用者様やご家族との対話を通じて、真のニーズを引き出すことが重要です。

次に、アセスメントで得られた情報に基づき、具体的な支援内容を盛り込んだ個別支援計画を作成します。

利用者様が達成したい目標を明確にし、目標達成に向けた具体的な支援内容をできるだけ詳しく記入しましょう。

計画に基づいたサービスを提供した後は、モニタリングを実施します。

モニタリングでは、計画通りにサービスが提供されているか、目標達成に向けて進捗があるか、新たな課題は生じていないかなどを定期的に確認します。

モニタリングの結果を踏まえ、必要に応じて計画の見直し(再アセスメント)を行います。一連のフローを滞りなく実行することで、計画未作成や不備による減算リスクを減らせるでしょう。

関係者間の情報共有と記録管理

個別支援計画の作成・運用には、サビ管だけでなく、支援に携わる全員での多職種間の連携が重要です。

スムーズな情報共有と記録管理は、個別支援計画の質の向上だけでなく、減算防止にも直結します。

たとえば、利用者様の体調の変化、困りごとの発生、目標達成に向けた前向きな変化などは、個別支援計画の見直しやサービス内容の調整に役立つ情報です。

これらの情報を支援員間でタイムリーに共有できる仕組みを構築しましょう。

また、作成した個別支援計画やアセスメント記録、モニタリング記録、同意書などの書類は、すべて適切に保管・管理する必要があります。

これらの書類は、実地指導や監査の際に必ず確認され、不備があれば減算の対象となる可能性があります。

デジタルでの一元管理やクラウドツールの活用も視野に入れ、いつでも必要な情報にアクセスできる体制を整えましょう。

代表的なクラウドツールとして、障害福祉サービスに特化した記録・請求ソフト「knowbe(ノウビー)」があります。

knowbeでは、以下の記録をすべてクラウド上で作成・管理できます。

knowbeで作成・管理できる!個別支援計画の作成に必要な記録一覧

  1. 計画・帳票の一元管理(サービス等利用計画など)
    「帳票の作成・管理機能」により、サービス等利用計画や担当者会議記録など、必要な帳票をknowbe上で簡単に作成・管理できます。日々の支援や請求に必要な帳票も一元管理することで、業務削減につながります。
  2. アセスメントシート
    計画作成に必要な「アセスメントシート」も、knowbeの帳票作成機能にて作成・管理が可能です。複雑になりがちな書類作成も、シンプルな操作と入力で楽に行えます。
  3. モニタリング記録
    「モニタリングシート」の作成に対応しています。また、knowbeはクラウドシステムのため、事務所から離れたサービス提供現場からでも情報の入力や確認が可能です。

knowbeは、これらの記録をすべてデジタルで一元管理するため、書類の紛失や管理の手間を大幅に削減できるでしょう。

また、インターネット環境があればいつでも・どこからでも必要な情報にアクセスでき、支援員間のタイムリーな情報共有をサポートします。

デジタル管理への移行は、実地指導対策としても有効です。

knowbeでは、指摘されやすいポイントと具体的な対策をまとめた「実地指導・監査対策ガイドブック(無料)」を提供しています。安心して監査を迎えられる体制づくりに、ぜひご活用ください。

実地指導で指摘される前に知るべき事業所の「6つのリスク」と予防策

なお、実地指導当日の流れや、運営体制・人員配置・利用者支援に関して事前に準備すべき書類のチェックリストについては「実地指導とは?監査との違いや当日の流れ・必要書類・事前対策について解説【障がい福祉サービス】」にて詳しく紹介しています。

サビ管の適切な配置と育成体制

サビ管の適切な配置と育成は、個別支援計画未作成減算を防ぐうえで最も重要なポイントの一つです。

サビ管の採用にあたっては、以下の要件を満たす職員を配置する必要があります。

要件

期間

条件

実務経験要件

3年以上

医療・福祉系の国家資格等(医師、看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士など)を持つ者による相談支援・直接支援業務

5年以上

社会福祉主事任用資格、保育士、児童指導員任用資格などの有資格者による直接支援業務

相談支援業務

8年以上

社会福祉主事任用資格などを持っていない者による直接支援業務

研修修了要件

基礎研修(26時間)+ 2年以上のOJT + 実践研修(14.5時間)

 ※基礎研修は実務経験要件を満たす2年前から受講可能

参照:WAM NET「サービス管理責任者の実務要件」

上記のほかにも、利用者様への深い理解、多職種連携を進めるためのコミュニケーション能力なども重視されます。

採用後は、OJT(On-the-Job Training)だけでなく、外部研修への参加や、事業所内での定期的な勉強会などを通じて、継続的なスキルアップを支援しましょう。

とくに新しいサビ管が着任した際には、既存のサビ管や管理者からの引き継ぎ・指導が必須です。

サビ管の退職・不在時の計画作成体制維持方法

サビ管の退職や長期不在は、個別支援計画の作成プロセスに大きな影響を与え、減算リスクを高めます。

このような事態に備え、事前に代替要員を育成したり、複数のサビ管で業務を分担したりするなど、サビ管が一人体制にならないような対策を講じることが重要です。

複数のサビ管が在籍している場合は、各利用者様の担当サビ管を明確にしつつ、他のサビ管も状況を把握できるような体制を構築するのが望ましいでしょう。

万が一担当サビ管が不在になった場合でも、別のサビ管が個別支援計画の作成や見直しに対応できる体制が整っていれば安心です。

有資格者が少ない事業所では、将来的にサビ管となり得る職員の育成を計画的に進めると、長期的な視点での減算予防策となるでしょう。

計画更新サイクルの適切な管理

個別支援計画は、作成して終わりではありません。

利用者様の状況やニーズは常に変化するため、定期的な見直しと更新が義務付けられています。

計画更新サイクルを適切に管理すれば、減算を未然に防げます。

サービス提供期間が終了する利用者様や、計画見直し時期が近づいている利用者様については、事前にリストアップし、スケジュール管理を徹底しましょう。

システムを活用して、更新時期が近づくとアラートが出るように設定したり、担当者間で定期的に更新状況を確認する会議を設けたりするのも有効です。

knowbeのアラート機能は、計画の更新時期が迫ると、「〇日後に支援期間が終了します」と画面上に通知。 

見直しの遅れといったヒューマンエラーを未然に防ぎ、常に最新かつ適切な計画に基づいた支援運用を可能にします。

knowbeでは、計画更新を含む実地指導対策のチェックポイントをまとめた無料ガイドブックをご用意しています。更新漏れによる減算リスクが心配な方は、ぜひご活用ください。

実地指導で指摘される前に知るべき事業所の「6つのリスク」と予防策

もし減算されたら?減算発生時の対処法と過誤手続きの進め方

もし減算されたら?減算発生時の対処法と過誤手続きの進め方

個別支援計画未作成減算は、事業所の運営にとって大きなリスクであり、実際に減算が適用されてしまった場合、適切な対応が求められます。

しかし、減算が発覚した際に「どうすれば良いの?」と戸惑う管理者の方も少なくないでしょう。

万が一減算が発生してしまった場合の具体的な対処法と、過誤請求の正しい手続きについて、以下より詳しく見ていきましょう。

減算対象が発覚した際の「絶対にしてはいけないこと」と減算対象発覚時の初動対応手順

個別支援計画未作成減算の対象となる事実が発覚した際、まず「絶対にしてはいけないこと」があります。

事実を隠蔽しようとすることや、安易な自己判断で状況を悪化させる行為です。

利用者様や関係機関に虚偽の説明をしたり、さかのぼって日付を改ざんするなどの行為は、行政からの信頼を失い、さらに重い処分を招く可能性があります。

減算の対象となる事実が発覚した際は、以下の手順を進めましょう。

  1. 事実関係の正確な把握
  2. 関係者への情報共有と相談
  3. 個別支援計画の緊急作成・見直し
  4. 今後の再発防止策の検討

まず、「どの利用者様の・どの期間の個別支援計画が未作成なのか」を特定してください。

その後、未作成となった原因を調査し、原因がわかったら、減算対象となる月や期間を正確に特定し、影響を受ける報酬額を概算します。

事実確認が済んだら、直ちに事業所の責任者や、経験豊富な先輩管理者、法人内の担当部署などに状況を報告・相談しましょう。

必要に応じて、顧問社労士や行政書士など、専門家への相談もご検討ください。

専門家の知見は、適切な対応策を講じるうえで非常に役立ちます。

未作成状態の個別支援計画がある場合は、直ちに作成に着手してください。

アセスメントからモニタリングまで、正規のプロセスに沿って迅速に進めましょう。

計画作成後は、減算が発生した原因を分析し、どのような対策を講じれば再発を防げるのかを検討します。

サビ管の業務負担の軽減や計画作成スケジュールの見直し、同意を取得する方法の改善など、事業所全体の運営体制をもう一度考えてみましょう。

過誤手続きの正しい流れと必要書類

減算が確定した場合、原則として国保連への過誤請求手続きが必要となります。

過誤請求とは、過去に請求した報酬を修正するための手続きであり、正しい手順で進めなければなりません。

過誤手続きの正しい流れは、以下のとおりです。

  1. 減算対象額の算定
  2. 過誤申立書(介護給付費過誤申立書)の作成
  3. 添付書類の準備
  4. 国保連へ提出
  5. 過払い金の返還

参照:厚生労働省 「審査支払事務自治体新任職員研修会資料」p58

過誤手続きの流れとして、まず減算対象額を算定しましょう。

特定した未作成期間と減算率に基づき、減算される額を正確に計算します。

国保連からの通知や、行政からの指導内容を参考にしてください。

次に、過誤申立書を作成します。

各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)のWebサイトから申請書をダウンロードし、事業所情報や利用者様情報、サービス提供年月、調整対象単位数、調整理由などを記入しましょう。

過誤申立書の記入後は、減算の原因となった事実を証明する書類を添付します。

たとえば、個別支援計画の未作成期間を証明する書類、サビ管の不在を証明する書類、行政からの指導文書などです。

書類がそろったら、作成した過誤申立書と添付書類を、国保連に提出します。

提出方法や締切日は、各都道府県の国保連の規定に従ってください。

過誤申立が受理されると、国保連から事業所に対して、過払い分の報酬の返還が求められます。指定された期日までに、速やかに返還金を支払いましょう。

なお、支払い確定後の修正である過誤と、審査段階で差し戻される返戻(へんれい)の違いや、エラーコードごとの対処法については「返戻とは?事業所への影響・通知対応の流れ・エラーコード例や対処法など」にて詳しく紹介しています。

過誤放置によるリスクと事業所への影響

減算対象の事実を放置していると、行政の指導や監査で指摘される可能性が高まります。

悪質な場合は、運営指導から監査へ移行し、さらに厳しい指導や処分を受ける場合もあるでしょう。

また、「本来請求できない報酬を意図的に請求し続けている」と判断された場合、不正請求とみなされるかもしれません。

不正請求と認定されると、加算金が課せられるだけでなく、事業所指定の取り消しや、刑事告訴の対象となる可能性もあります。

参照:e-Gov法令検索「障害者総合支援法第八条の2」
参照:
e-Gov法令検索「障害者総合支援法第五十条第六項」

さらに、行政からの指導や処分は、事業所の評判を著しく損ないます。

利用者様やご家族、関係機関、従業員からの信頼を失い、利用者様獲得や人材確保にも悪影響が出る場合もあります。

減算が発覚した際は、速やかに過誤手続きを行うことが、事業所を守り、安定した運営を継続する唯一の方法です。

減算を教訓として、再発防止に努めましょう。

過誤申立は精神的な負担も大きい手続きですが、事業所を守るためには避けて通れません。しかし、経営を揺るがすリスクは「減算」や「過誤」だけではありません。

一見順調な事業所でも、実地指導で指摘されやすいリスクを抱えている可能性があります。

今回knowbeでは、将来の返還金や指定取り消しを未然に防ぐための予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。自社の運営体制を点検するチェックリストとしてご活用ください。

実地指導で指摘される前に知るべき事業所の「6つのリスク」と予防策

混同しがちなサビ管欠如減算との違いと同時適用の可能性

個別支援計画未作成減算について理解を深めていくと、「サビ管欠如減算」という言葉を耳にするかもしれません。

どちらもサビ管が関係するため、混同しやすいですが、この2つの減算は目的も適用条件も異なります。

それぞれの減算の具体的な内容と、両者が同時に適用される可能性について、以下より詳しく見ていきましょう。

サビ管欠如減算の適用条件

サビ管欠如減算は、事業所に配置すべきサビ管が不足している場合に適用される減算です。

障害福祉サービス事業所には、事業規模やサービス内容に応じて、必要な数のサビ管を配置しなければなりません。

具体的には、以下のような状況で適用される可能性があります。

  • 事業所の利用者様数に応じて定められたサビ管の配置基準を満たせていない状態が一定期間継続した場合
  • 常勤のサビ管の配置が義務付けられているにも関わらず、非常勤のサビ管しか配置されていない、または常勤のサビ管が不在の期間がある場合
  • サビ管として必要な実務経験や研修を修了していない者が配置されている場合

サビ管欠如減算は、事業所の運営体制そのものに対する減算であり、安定したサービス提供体制を維持するために設けられています。

サビ管欠如減算の具体的な減算率(30%・50%)や、急な退職などのやむを得ない事由がある場合に適用できる「みなし配置」の特例措置については「サービス管理責任者欠如減算とは?計算方法・回避方法のポイントを解説」にて詳しく紹介しています。

個別支援計画未作成減算との相違点

個別支援計画未作成減算とサビ管欠如減算の大きな違いは、「減算の対象となる行為」と「目的」です。

詳しくは以下の表をご覧ください。

項目

個別支援計画未作成減算

サビ管欠如減算

減算の対象となる行為

個別支援計画の作成・更新が行われていない、あるいは内容に不備があること

サービス管理責任者の人員配置基準を満たしていないこと

減算の目的

利用者様一人ひとりに合った適切な支援を提供すること

サービスの質の確保と事業所の適切な運営体制を維持すること

主な影響

個別支援計画の不備による支援の質の低下

事業所運営体制の不安定化・サービス提供の困難化

個別支援計画未作成減算は、一人ひとりの利用者様に対する支援の質に直結する計画がない点を問題にします。

一方で、サビ管欠如減算は、事業所全体のサービス提供体制の基盤が整っていない点を問題としているのです。

また、事業所にサビ管がいなければ、そもそも計画作成ができなくなり、結果として個別支援計画未作成減算にもつながるでしょう。

両減算の同時適用ケースと注意点

厚生労働省のQ&Aによると、サビ管欠如減算と個別支援計画未作成減算の両方に当てはまる場合、減算される単位数が大きいほうのみが適用されます。

両方の減算が合算されるわけではありませんので、過誤請求とならないよう十分注意しましょう。

参照:厚生労働省「「平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.3 (平成 30 年5月 23 日)」の送付について」p3

Q&A よくある質問

障害福祉サービス事業所の運営で直面しがちな個別支援計画未作成減算や児童発達支援管理責任者欠如減算に関する質問について、Q&A形式で詳しく解説します。

事例をもとにわかりやすくご説明しますので、事業所運営のご参考になれば幸いです。

Q. 児童発達支援管理責任者欠如減算と個別支援計画未作成減算が月の途中で同時に発生した場合、減算の計算方法は?

複数の減算が月の途中で同時に発生した場合、最も重い減算のみが適用されます。

たとえば、4月10日から7月10日までサビ管が不在であり、同じ時期にある利用者様の個別支援計画が作成されていなかったとしましょう。

この場合、児童発達支援管理責任者欠如減算と個別支援計画未作成減算のうち、より減算される単位数が多いほうが適用されます。

参照:子ども家庭庁「障害福祉サービス等報酬(障害児支援)に 関するQ&A 一覧」p28

Q. 放課後等デイサービスでも利用児童「全員」分の個別支援計画を作成しなければならないのか?

放課後等デイサービス・児童発達支援でも、すべての利用児童の個別支援計画(児童発達支援計画)の作成が義務付けられています。

参照:e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」

個別支援計画は、児童一人ひとりの特性やニーズに合わせた支援を提供するために不可欠なものです。

一部の児童の計画が未作成のままサービスを提供してしまうと、個別支援計画未作成減算の対象となってしまいます。

個別支援計画は、サービス提供開始から遅くとも30日以内に作成し、利用児童または保護者の同意を得る必要があります。

期限を過ぎてしまうと減算対象となるため、新規利用児童を受け入れる際には、いつも以上に個別支援計画の進捗状況を厳しく管理しましょう。

Q. 児童発達支援管理責任者欠如減算を解除するには、代替配置をいつまでに行えばよい?

児童発達支援管理責任者欠如減算を解除するには、速やかに新たな児童発達支援管理責任者(以下、児発管)を採用するか、事業所の管理者が児発管を兼務する必要があります。

採用・兼務開始日が属する月までは減算が適用され、解除された翌月からは通常の単位で請求が可能です。

たとえば、4月10日に児発管が退職した場合、6月1日から児発管欠如減算が適用されます。

この場合、6月中に新しい児発管を配置すれば、7月以降は減算が適用されません。

参照:子ども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う 実施上の留意事項について 1 通則 ④ 人員欠如減算の具体的取扱い (二)」p25

Q. 月の途中で個別支援計画を作成した場合、当月の減算取り扱いは?

月の途中で個別支援計画が作成された場合、作成日が属する月に個別支援計画未作成減算が適用されます。

たとえば、5月1日からサービスを提供している利用者様の個別支援計画が5月5日に作成されたとします。

この場合、5月末日までが個別支援計画未作成減算の対象となり、該当する利用者様の所定単位数の30%が減算されるでしょう。

参照:厚生労働省「横断的事項について」p15

参照:和歌山市「実地指導における主な指摘事例 ~指摘事例と注意点~ 通所系」p5

Q. 児童発達支援と放デイを同一建物で運営する場合、減算の計算方法はどう区別する?

児童発達支援と放課後等デイサービスを同一建物で運営している事業所の場合、多機能事業所として取り扱われます。

多機能事業所の場合、原則として同一敷地内で運営する複数のサービスの利用定員の合計数に応じて報酬を算定する必要があるため、減算も同様の取り扱いとなるでしょう。

ただし、主に重度心身障がい児以外の児童を通わせる児童発達支援と放課後等デイサービスを運営する場合、それぞれのサービスに必要な職員を配置していれば、別々に報酬を算定してもよいとされています。

参照:子ども家庭庁「障害福祉サービス等報酬(障害児支援)に 関するQ&A 一覧」p24

まとめ:適切な個別支援計画運用で安定した事業所経営を実現

個別支援計画は、利用者様に質の高い支援を提供するだけでなく、事業所の安定した経営を維持するためにも不可欠です。

サビ管の適切な配置・育成や計画作成・更新サイクルの管理、関係者間の情報共有と記録管理を行い、個別支援計画未作成減算を回避しましょう。

knowbeのアラート機能は、更新期限が近づくと画面上で知らせるので、未作成減算のリスクを大幅に軽減します。

もし減算が発覚したとしても、決してあわてず、適切な手順で過誤手続きを進めましょう。

個別支援計画は、利用者様のより良い未来と、事業所の安定した経営を両立させるための鍵となります。

knowbe
Author
著者
宮島桃香
福祉系大学卒業と同時に社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得。障害者就労・生活支援センターや就労継続支援B型事業所にて、2年半ほど就労支援業務に携わる。2022年12月より、障害者の就労支援やメンタルヘルス系のメディアを中心に記事執筆を行っている。
Supervisor
監修者
涌井好文(わくい よしふみ)
涌井社会保険労務士事務所代表。平成26年に神奈川県で社会保険労務士として開業登録後、企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を展開。障害福祉サービス事業所の運営や手続きに関する相談など、福祉分野での支援も行っている。退職や転職に関するトラブル相談にも応じ、労使双方が働きやすい環境作りに尽力。また、近年はWebを活用した情報発信にも注力し、記事執筆や監修を通じて幅広い知識を提供している。
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