

サービス管理責任者欠如減算とは?計算方法・回避方法のポイントを解説
※この記事は2025年12月時点の情報で作成しています
「サビ管が不在だと、運営にどのような影響があるのだろう?」
「どうすれば減算を避けられるの?」
障がい福祉サービス事業所の経営者や管理者の皆様は、このような疑問や不安を抱えているかもしれません。
サービス管理責任者(以下、サビ管)とは、利用者様の個別支援計画を立てたり、サービスの質をチェックしたりする責任者です。
サビ管が不在になると、サービス管理責任者欠如減算が適用され、事業所の収益に大きく影響します。
しかし、制度が複雑で、「正確な情報を得るのが難しい」と感じることも少なくないでしょう。
この記事では、サービス管理責任者欠如減算の概要や計算方法、そして最も重要な減算を回避するための手順について、社会保険労務士・涌井好文の監修のもと、元就労継続支援B型の職員である宮島桃香が詳しくお伝えします。
この記事を読み終えるころには、減算に関する疑問が解消され、自信を持って安定した事業運営ができるようになっているはずです。
サービス管理責任者欠如減算の基本をわかりやすく解説
サビ管の人員配置基準(事業所や施設がサービスの質を保つために最低限必要な職員の人数)は、障がい福祉サービス事業所の運営において、最も重要なルールの一つです。
この基準を満たせない場合、「サービス管理責任者欠如減算」という形で、事業所の報酬(事業所が利用者様にサービスを提供した対価として支払われる金額)が減らされてしまいます。
この章では、サービス管理責任者欠如減算の定義、対象サービス、減算の種類と割合、減算対象となるケースについて、詳しく解説していきます。
社労士 涌井好文のコメント:
障害福祉サービスにおいては、管理者や職員について人員配置基準が定められています。これらの基準は、サービスを提供するために不可欠な人員数を表すものであり、その基準を下回るようなことは本来あってはなりません。しかし、様々な事情から欠員が生じる場合もあり、そのような場合には、減算が行われることもあります。関係機関との調整等を行うサービス管理責任者が不在の場合にも、減算が行われることがあるため、しっかりと理解しておきましょう。
人員配置基準を満たしているか確認するための計算方法については「常勤換算の計算方法4STEP|欠勤や育児休暇の扱い・人員配置基準など」にて詳しく紹介しています。
常勤・非常勤の区別や、有給休暇・欠勤時の取り扱いなど、計算ミスを防ぐための具体的な手順をご確認ください。
サービス管理責任者欠如減算の定義と対象サービス
サービス管理責任者欠如減算とは、サビ管の人員配置基準を満たしていない場合、事業所が受け取れる報酬が減らされてしまう制度です。
サービス管理責任者欠如減算の対象となる障がい福祉サービスと、サビ管の人員配置基準は以下のとおりです。
対象となるサービス | サビ管の人員配置基準 |
|---|---|
共同生活援助(グループホーム) |
※必ず1人は常勤(フルタイム勤務)のサビ管を配置する |
自立生活援助 | |
療養介護 |
※必ず1人は常勤(フルタイム勤務)のサビ管を配置する |
生活介護 | |
自立訓練(機能訓練・生活訓練) | |
就労継続支援(A型・B型) | |
就労移行支援 | |
就労定着支援 |
参照:愛知県「指定障害福祉サービス事業者等集団指導について」p4
参照:奈良県「障害福祉サービスにおける人員配置基準(令和7年10月1日現在)」p1-4
参照:厚生労働省「自立生活援助、地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)に係る報酬・基準について≪論点等≫」p3
参照:札幌市「~就労系サービスに関する手引き(Q&A集)~」p12
これらのサービスを提供する事業所は、厚生労働省によって定められたサビ管の人員配置基準を守りましょう。
なお、障がい福祉サービス事業所がサビ管を配置する場合、以下の要件をすべて満たす方を採用する必要があります。
要件 | 要件の詳細 | 期間 |
|---|---|---|
実務経験要件 (①~④のいずれかを満たすこと) | ①社会福祉士や精神保健福祉士などの医療福祉系資格を持った者が、その資格に基づく業務に従事した期間 | 3年 |
②病院や診療所、児童相談所など、医療福祉に関係する施設で相談支援業務に従事した期間 | 5年 | |
③福祉に関する一定の知識を持った者(社会福祉主事任用資格者、保育士など)が、障害者支援施設や病院などで直接支援業務に従事した期間 | ||
④上記のいずれにも当てはまらない者が直接支援業務に従事した期間 | 8年 | |
研修修了要件 (①と②をすべて満たすこと) | ①サービス管理責任者等研修の基礎研修(26時間)を修了し、2年以上のOJT(現場における実務)を行うこと | |
②サービス管理責任者等研修の実践研修(14.5時間)を修了すること | ||
参照:厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」p4
参照:WAM NET「サービス管理責任者の実務要件」p1
社労士 涌井好文のコメント:
サービス管理責任者は、障害福祉サービス事業所におけるサービス品質の維持向上のために置かれる役職です。提供するサービスの品質管理や、関係機関との調整、支援員の指導などについて中心的な役割を果たすサービス管理責任者は、事業所にとってだけでなく、利用者にとっても欠くことのできない存在となります。そのような重要な存在を欠いた状態の事業所が、質の高いサービスを提供することは困難であり、不在に対する一種のペナルティとして、サービス管理責任者欠如減算が行われます。
このように、グループホームでは厳しい配置基準を守りながら、利益を確保しなければなりません。
一般的な利益率が低いと言われるグループホーム運営において、法令を遵守しつつ「利益率15%」を実現するためのユニット展開や人員配置のノウハウをまとめた資料(無料)をご用意しました。
サビ管の配置とあわせて、収益構造を見直すための参考にしてください。

「翌月末まで」「5ヵ月以上」期間で変わる減算の種類と割合
サービス管理責任者欠如減算は、サビ管が欠如している期間によって、減算の割合が変わります。
サビ管が欠如した日が属する月の「翌月末まで」に配置基準を満たせない場合、翌々月から基本報酬の30%が減算されます。
たとえば、5月1日からサビ管が不在になった場合、6月末日までに新しいサビ管の配置が間に合わなければ、7月1日から30%の減算が開始されるでしょう。
■サビ管が4月末日(4月30日)に退職した場合
月 | 日 | サビ管 | 減算 |
|---|---|---|---|
4月 | 4月30日 サビ管退職 | 充足 | なし |
5月 | 5月1日 欠如発生 | 欠如(当月) | なし |
6月 | 欠如(翌月) | なし | |
7月 | 7月1日 サビ管配置 | 欠如(翌々月) | あり(30%減算) |
8月 | 充足 | なし |
サビ管が月の途中で退職した場合、退職日が属する月の翌々月から減算が適用されます。
■サビ管が月の途中(4月15日)に退職した場合
月 | 日 | サビ管 | 減算 |
|---|---|---|---|
4月 | 4月15日 サビ管退職 4月16日 欠如発生 | 欠如(当月) | なし |
5月 | 欠如(翌月) | なし | |
6月 | 6月1日 サビ管配置 | 欠如(翌々月) | あり(30%減算) |
7月 | 充足 | なし |
さらに、減算が3ヵ月以上継続した場合は、減算割合が50%へと引き上げられます。
サビ管が欠如している状態が長引くと、サービスの質に重大な影響を及ぼす可能性が高いと判断されるためです。
なお、サビ管不在により個別支援計画の作成・更新が滞ると、別の減算も適用されるリスクがあるため「個別支援計画未作成減算とは?障害福祉サービス事業者向け完全ガイド【原因・対策・予防法】」にて、減算率や適用条件もあわせてご確認ください。
■サビ管が4月末日(4月30日)に退職した場合
月 | 日 | サビ管 | 減算 |
|---|---|---|---|
4月 | 4月30日 サビ管退職 | 充足 | なし |
5月 | 5月1日 欠如発生 | 欠如(当月) | なし |
6月 | 欠如(翌月) | なし | |
7月 | 欠如(翌々月) | あり(30%減算) | |
8月 | 欠如(4ヵ月目) | あり(30%減算) | |
9月 | 9月1日 サビ管配置 | 欠如(5ヵ月目) | あり(50%減算) |
10月 | 充足 | なし |
■サビ管が月の途中(4月15日)に退職した場合
月 | 日 | サビ管 | 減算 |
|---|---|---|---|
4月 | 4月15日 サビ管退職 4月16日 欠如発生 | 欠如(当月) | なし |
5月 | 欠如(翌月) | なし | |
6月 | 欠如(翌々月) | あり(30%減算) | |
7月 | 欠如(4ヵ月目) | あり(30%減算) | |
8月 | 8月1日 サビ管配置 | 欠如(5ヵ月目) | あり(50%減算) |
9月 | 充足 | なし |
サービス管理責任者欠如減算は、サビ管を配置した月の末日まで適用されます。
月の初日にサビ管を配置しても、配置した月が終わるまでは減算が適用されるため、ご注意ください。
社労士 涌井好文のコメント:
サービス管理責任者欠如減算は、一律の減算ではなく、欠如している期間に応じて減算割合が変わる仕組みです。30%の減算からはじまり、減算開始月から5か月以上経っても解消されない場合には50%まで減算率が引き上げられます。利用者について、基本報酬の単位数の50%しか算定できない状態では、サービスの質を維持することも困難となり、資金繰りの悪化から従業員への給与遅配や未払いも起きかねません。トラブルを避けるためにも、配置基準を遵守し、欠如が起きないように心がけましょう。
減算対象のケース・対象外のケース
減算対象となるケースは以下の2つです。
- サビ管を1人も配置していない場合
- 人員配置基準を満たす数のサビ管を配置していない場合
一方で、サビ管が不在の状態を翌月末までに解消した場合(下図参照)や、後述する「やむを得ない事由」に該当する場合は、減算の対象外となります。
月 | 日 | サビ管 | 減算 |
|---|---|---|---|
4月 | 4月30日 サビ管退職 | 充足 | なし |
5月 | 5月1日 欠如発生 5月15日 サビ管配置 | 欠如(当月) | なし |
6月 | 充足 | なし |
ただし、減算対象外となるケースはあくまで例外であり、原則として定められた人員配置基準を守らなければなりません。
また、配置基準の遵守は基本ですが、実地指導で指摘され、返還金を求められる原因は「サビ管の不在」だけではありません。
実は、一見順調に運営している事業所でも、知らず知らずのうちに運営基準違反や減算対象となるリスクを抱えているものです。
実地指導で指摘されやすい「見落としがちな6つのリスク」と、その予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。自社の運営体制を点検するチェックリストとしてご活用ください。

減算額はいくら? サービス管理責任者欠如減算の計算方法

サービス管理責任者欠如減算の減算額は、「基本報酬の単位数×減算率×サービス単価」で求められます。
サービス単価は基本的に1単位=10円ですが、事業所の管轄地域や提供するサービスの種類によって異なる場合があります。
具体例として、以下のケースを見てみましょう。
【モデルケース】
- サビ管の退職日:4月30日
- サビ管が不在となる日:5月1日
- 新しいサビ管を配置した日:7月1日
- 7月の基本報酬の単位数:100,000単位
- サービス単価:1単位=10円
月 | 日 | サビ管 | 減算 |
|---|---|---|---|
4月 | 4月30日 サビ管退職 | 充足 | なし |
5月 | 5月1日 欠如発生 | 欠如(当月) | なし |
6月 | 欠如(翌月) | なし | |
7月 | 7月1日 サビ管配置 | 欠如(翌々月) | あり(30%減算) |
8月 | 充足 | なし |
モデルケースの場合、6月末日までに新しいサビ管を配置する必要がありますが、7月1日に配置したので、基本報酬の30%が減算されます。
減算額は、100,000単位×30%×10円=300,000円です。
本来ならば100万円の基本報酬が支給される予定でしたが、減算が適用された結果、70万円に減額されてしまいます。
シミュレーションで算出した減収額は、あくまで「サビ管不在」という一つの要因によるものです。
実は、一見順調に運営している事業所でも、実地指導で指摘されやすいリスクを他にも抱えている可能性があります。
knowbeでは、減算や返還金を未然に防ぎ、5年後も健全な運営を続けるための「自社点検ガイド(無料)」をご用意しました。

計算の基礎となる基本報酬の単位数については「就労継続支援B型の基本報酬・加算・減算を解説|令和6年度報酬改定」にて詳しく紹介しています。
平均工賃月額や人員配置(6:1、7.5:1など)によって異なる基本報酬区分(Ⅰ)~(Ⅵ)ごとの具体的な単位数を確認し、自事業所の減算影響額を正確に把握しましょう。
サビ管が急に不在になっても慌てない! 「やむを得ない事由」による減算回避の秘訣

サービス管理責任者欠如減算の危機に直面している事業所にとって、「やむを得ない事由」の適用は非常に重要です。
この章では、減算を回避できる要件と行政の判断基準、みなし配置の活用法について解説します。
複雑に感じられる制度をわかりやすくひも解き、事業所が安心して運営を継続できるよう、具体的な対応策と手続きのポイントを詳しく見てみましょう。
「やむを得ない事由」とは? 具体例と行政判断のポイント
やむを得ない事由とは、以下の要件1・2をどちらも満たす場合を指します。
- サビ管がやむを得ない、突発的な事情で不在となった場合
- サビ管が亡くなった場合
- サビ管が行方不明になった場合
- サビ管が急に退職した場合
- サビ管が急病などで長期間休むことになった場合など
- 新しいサビ管をすぐに配置できない場合
参照:厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」p3
参照:兵庫県「やむを得ない事由によりサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の配置が認められる場合の考え方」p1
やむを得ない事由に該当するかどうかの判断は、都道府県や市町村によって異なります。
自治体の公式ホームページを確認したり、直接問い合わせたりしましょう。
社労士 涌井好文のコメント:
人員配置基準は、サービスを提供するために必要となる最低限の基準です。そのため、サービス管理責任者に限らず、基準を下回るようなことがあってはなりません。しかし、サービス管理責任者の死亡や、予定にない退職など、事業所側では対応が困難な事態が生じることもあり得ます。そのようなやむを得ない事由によるサービス管理責任者の欠如は、減算の対象外となる場合もあるため、どのような場合に「やむを得ない」と認められるかを「みなし配置特例」とともに正確に把握しておくことが必要です。
みなし配置の特例措置と活用できる期間【専門家が解説】
「みなし配置」とは、すぐに正規のサビ管を配置できない場合に、サビ管の要件を満たしていない職員を一時的に配置できる特例です。
以下の条件に当てはまる職員をサビ管とみなし、一定期間の間、サビ管として配置できます。
- 最長1年間のみなし配置が可能な職員
- サビ管の実務要件を満たしている職員
- 最長2年間のみなし配置が可能な職員
- 以下の要件をすべて満たす職員
- 実務経験要件を満たしている
- サビ管が不在になる前から事業所に在籍している
- サービス管理責任者等研修の基礎研修を修了している
- 以下の要件をすべて満たす職員
参照:厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」p4
1年〜2年の猶予期間を過ぎてもサービス管理責任者等研修(基礎研修・実践研修)を修了できていない場合、サービス管理責任者欠如減算の対象となる可能性があります。
このあと解説するみなし配置の申請が終わり次第、速やかに研修を受けさせましょう。
なお、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が行った調査によると、「実務経験は満たしているが、研修が未修了の職員は各事業所に半数以上存在する」と報告されています。
参照:独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園「令和4年度障害者総合福祉推進事業サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の業務実態及び制度改定後の養成研修の実態に関する調査研究」p29
サビ管の実務要件を満たしている職員がいる場合、万が一に備えて、研修を受けるようにすすめましょう。
県への協議と変更届:みなし配置の必要書類と申請フロー
サビ管のみなし配置を行う場合、管轄の行政窓口へ速やかに変更届を提出する必要があります。
提出する書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下の書類の提出が必要です。
- 変更届出書
- 付表
- 勤務形態一覧表
- みなし配置予定者の経歴書
- みなし配置予定者の実務経験証明書
- みなし配置予定者の資格証明書(写し)
- みなし配置予定者のサービス管理責任者研修修了証(写し)
- みなし配置を行うに至った理由書
- 上記以外に行政から指示された書類
参照:東京都「障害者支援施設及び障害福祉サービス事業の変更に係る手続きと届出方法等」p10-12
申請の流れとしては、まず速やかに行政窓口に相談し、今後の手続きについて確認しましょう。
行政の指示に基づき、上記の必要書類を漏れなく準備します。
必要書類がすべてそろったら、郵送または持参で行政窓口へご提出ください。
行政は提出された書類を審査し、不備があれば修正を求める場合もあります。
審査が完了し、変更が承認されると、行政から承認通知書が発行されるでしょう。
一連の手続きを放置すると、減算が適用されるだけでなく、事業所の信頼性にも関わる問題となるため、迅速かつ正確な対応を心がけてください。
こうした手続きの不備は、実地指導において厳しく指摘されるポイントです。しかし、事業所の経営を脅かすリスクはサビ管の配置だけではありません。
一見順調な事業所でも見落としがちな「6つのリスク」と、その予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。減算や返還金を確実に防ぎ、健全な運営を続けるための自社点検ガイドとしてご活用ください。

行政による指導のポイントや準備すべき書類については「実地指導とは?監査との違いや当日の流れ・必要書類・事前対策について解説【障がい福祉サービス】」にて詳しく紹介しています。
人員基準違反などの指摘を避けるための事前対策や、当日の流れを把握しておきましょう。
減算リスクをゼロに! サビ管の定着と緊急時の対応

サービス管理責任者欠如減算は、事業所の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
しかし、適切な予防策を講じることで、減算のリスクを抑えられるでしょう。
この章では、サビ管の採用・定着の重要なポイントと、万が一の事態に備えた緊急時の対応について解説します。
実践的な予防策を知り、事業所の安定運営を目指しましょう。
サビ管の採用・定着のポイント
サビ管の採用においては、経験や資格だけでなく、障がい福祉への熱意や利用者様への深い理解を持つ人材を見極めるのが重要です。
面接では、具体的な支援事例について深掘りすると、実践的な能力と倫理観を確認できるでしょう。
サビ管の定着に向けて、経営層がすべき具体的な施策は、以下の3つです。
- 業務量の適正化と見える化
支援記録や請求業務に追われ、サビ管の本来の業務である個別支援計画の作成や、管理者業務に集中できない状況は、離職の大きな原因です。
ICTツールを導入するなど、業務効率化に向けた取り組みを行いましょう。
- 評価制度とキャリアパスの明示
サビ管の専門性に見合った適正な評価制度(給与・賞与)を設け、将来的に管理者を目指せるキャリアパスを提示しましょう。
- 経営KPIの共有
サビ管も事業所の稼働率や収益構造に関わる経営層の一員です。
数値目標(KPI)を積極的に共有し、日々の現場業務を通じて経営に参加している意識を高めましょう。
KPIを共有するといっても、具体的にどの数字をどう改善すればよいか迷われるかもしれません。
とくに就労継続支援B型において、経営の安定に直結する「稼働率」と「報酬単価」を最大化するための具体的な手法をまとめた資料(無料)をご用意しました。
サビ管と共に追うべき目標設定の指標として、ぜひお役立てください。

【緊急時】サビ管が急に不在になった際の初動対応と行政への連絡
サビ管が急に不在になることは、どの事業所でも起こり得る緊急事態です。
このような状況で最も重要なのは、迅速かつ適切に初動対応を行うことです。
まず、事業所内でサービスの提供体制に穴が開かないよう、代わりの人材を確保したり、既存スタッフで業務を分担したりする必要があります。
利用者様やご家族に対してもていねいに説明し、不安を与えないように配慮しましょう。
次に、速やかに都道府県・市町村の担当部署へ連絡し、サビ管が不在になった旨を報告してください。
報告する際には、「いつから不在になったのか」「なぜ不在になったのか」「今後の対応計画」を具体的に伝える必要があります。
行政と密に連携を取りながら、新たなサビ管の確保に努めましょう。
社労士 涌井好文のコメント:
サービス管理責任者欠如減算の適用を防ぐためには、サービス管理責任者の離職を防ぐことが最も有効な施策となります。給与や賞与といった金銭的な待遇を充実させることはもちろんのこと、法定を上回る有給休暇の付与やアニバーサリー休暇など、独自の福利厚生を設け、働きやすい環境を構築することが離職防止に効果的です。人間ドックの受診やスポーツジムの助成といった健康増進につながるような福利厚生制度があれば、死亡につながるような重篤な健康障害も未然に防げるようになるでしょう。
万が一減算されたらどうする? 信頼回復のための手続きと再発防止策

万が一、サービス管理責任者欠如減算の適用を受けてしまった場合でも、適切な手続きと再発防止策を講じれば、事業所の信頼と健全な運営を取り戻せます。
この章では、実際に減算が適用された際の国保連への過誤請求手続きや、再発防止のための組織体制と業務フローの見直しについて、詳しく解説します。
国保連への過誤請求手続き
サービス管理責任者欠如減算が適用され、すでに請求を行ってしまった場合、国保連(国民健康保険団体連合会)への過誤請求が必要です。
過誤請求とは、誤って請求した報酬を訂正し、正しい金額に調整する手続きを指します。
請求を行う前に、まずは減算の原因となったサビ管の欠如状態を解消し、配置基準を満たしていることを確認しましょう。
そのうえで、過誤請求手続きに必要な書類を作成し、国保連にご提出ください。
なお、請求内容の修正に伴う過誤と、審査で差し戻される返戻の違いについては「返戻とは?事業所への影響・通知対応の流れ・エラーコード例や対処法など」にて詳しく紹介しています。
再請求のスケジュールやよくあるエラーコードへの対処法を参照し、スムーズな手続きにお役立てください。
再発防止のために見直すべき組織体制と業務フロー
一度サービス管理責任者欠如減算を経験した場合、二度と繰り返さないための再発防止策を考えましょう。
後任のサビ管を配置するだけでなく、事業所全体の組織体制や業務フローを見直し、管理体制の強化を図る必要があります。
まず、サビ管の採用・定着に向けた計画を立てることが重要です。
しかし、事務作業に追われ、サビ管の採用や定着、稼働率改善といったKPI管理など、経営層の重要な業務に手が回らないのは本末転倒です。
knowbeなら、支援記録・実績・請求が連動しているため、転記ミスなどのヒューマンエラーを削減します。
また、エラー通知・アラート機能で請求前の不備も防げます。
事務作業を効率化することで、本来注力すべき利用者様への支援や、サビ管が辞めない職場づくりに集中できるはずです。
knowbeは、今日の減算回避だけでなく、長期的な事業所の成長を伴走するICTツールです。
この機会にぜひご検討ください。
社労士 涌井好文のコメント:
サービス管理責任者の職場定着のために施策を講じていたとしても、上手く機能しない場合もあり得ます。そのような場合には、不本意ながらサービス管理責任者欠如減算の対象となってしまうこともあるでしょう。そのような場合には、反省点を踏まえた再発防止策を講じることはもちろんこと、組織体制や業務フローに問題がないかも併せて見直しましょう。障害福祉サービスに特化したソフトを導入すれば、業務フローの改善も見込めるため、ぜひ導入を検討してください。
よくある質問(FAQ)
ここからは、サービス管理責任者欠如減算に関して、事業所の皆さまからよく寄せられる質問にお答えします。
FAQを通じて、減算のリスクを最小限に抑え、安定した事業運営の一助となれば幸いです。
複数事業所の場合の取り扱いは?
同じ敷地内で2種類以上の異なるサービスを運営する事業所を「多機能型事業所」といいます。
多機能事業所の場合、各サービスごとに決められた配置基準にかかわらず、利用者様60人に対して1人の割合でサビ管を配置する必要があります。(※利用者様が60人以下の場合)
参照:奈良県「障害福祉サービスにおける人員配置基準(令和7年10月1日現在)」p5
たとえば、グループホームの利用者様が30人以下の場合、利用者様30人に対して1人以上のサビ管を配置しなければなりません。
しかし、同じ敷地内で生活介護や就労継続支援B型なども運営している場合、利用者様60人に対して、1人以上のサビ管を配置すればよいのです。
この基準を満たさない場合、サービス管理責任者欠如減算が適用されるでしょう。
ただし、都道府県・市区町村によって解釈が分かれるため、必ず所轄の行政機関にご確認ください。
安易な判断は減算につながるおそれがあります。
非常勤のサビ管でも配置要件を満たす?
サビ管は非常勤でも配置可能ですが、実際には常勤で配置されるケースがほとんどです。
国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が行った調査によると、サビ管の97.8%が常勤であると報告されています。
参照:独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園「令和4年度障害者総合福祉推進事業サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の業務実態及び制度改定後の養成研修の実態に関する調査研究」p26
サビ管には、個別支援計画の作成やサービス提供の管理、多職種連携などの重要な業務があります。
非常勤であってもこれらの業務をスムーズに遂行でき、ほかの職員との連携が十分に取れる体制が必要です。
記事のまとめ

この記事では、障がい福祉サービス事業所の経営において避けたい「サービス管理責任者欠如減算」の概要や計算方法、効果的な回避策などについて、詳しく解説しました。
サビ管の配置は、単に人員を配置するだけでなく、利用者様への深い理解と障がい福祉への熱意を持った人材を確保する必要があります。
サビ管が安心して業務に集中できる職場環境を整備し、日々の業務の効率化を図ることが、減算回避の鍵となるでしょう。
障がい福祉に特化した記録・請求ソフト「knowbe」は、日々のサービス提供記録や請求業務を効率化し、事業所の運営・経営業務に注力できる環境を提供します。
この記事が、事業所におけるサービス管理責任者欠如減算に関する不安を解消し、より安定した事業基盤を築くための一助となれば幸いです。
減算に関するご相談やknowbeの詳細について知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
社労士 涌井好文のコメント:
事業所を運営するためには、収益を上げることは必要不可欠です。そのため、収益の低下に直結するサービス管理責任者欠如減算の適用は、絶対に避けなければならない事態といえるでしょう。収益が悪化した状態では、十分な待遇を用意できず、後任のサービス管理責任者が見つからないという負のループの陥る可能性もあります。サービス管理責任者にとって働きやすい職場環境の構築などに努め、離職を防止し、減算の適用を未然に防ぎましょう。





