

欠席時対応加算の算定要件・単位数・考え方のポイントを解説【記録例あり】
※この記事は2025年10月時点の情報で作成しています
「欠席時対応加算の仕組みはわかるけど、記録や回数管理が大変で、請求ミスが怖い…」
就労継続支援B型をはじめとする障害福祉サービス事業所の経営層・管理者様は、このようなお悩みはありませんか?
利用者様の急な欠席は避けられません。
しかし、記録業務や回数管理に追われていると、本来注力すべき利用者様の支援がおろそかになる可能性があります。
欠席時対応加算は、継続的な支援体制の構築を評価するための加算です。
加算の算定要件を正しく理解し、取りこぼしなく効率的に取得すると、事業所の安定経営とコンプライアンス強化に直結します。
この記事では、社会福祉士(元・就労継続支援B型職員)の宮島桃香が、欠席時対応加算の正しい考え方と事務負担を最小限に抑える記録方法をわかりやすく解説し、社会保険労務士・涌井好文が監修しています。
事務作業を削減し、質の高い支援に集中できる体制づくりにお役立てください。
欠席時対応加算の基本:算定できる事業所・単位数・届出は?
欠席時対応加算は、利用者様が急病などの理由により予定していたサービスを欠席した場合に、職員が連絡調整・相談援助を行うことで算定できる加算です。
以下より、欠席時対応加算を算定できる事業所、単位数、算定に必要な事前の届出について、詳しく見てみましょう。
算定できる事業所
欠席時対応加算を算定できる事業所は、以下のとおりです。
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 生活介護
- 自立訓練(機能訓練)
- 自立訓練(生活訓練)
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
特に就労継続支援B型では、利用者様の体調不良や急な予定変更による欠席が多いため、加算を忘れずに取得しましょう。
欠席時対応加算などのちりつもの加算を確実に積み上げることは、安定した経営の第一歩です。
さらに事業所全体の収益構造を強化し、利益を最大化するためのノウハウをまとめた資料(無料)をご用意しました。

単位数
欠席時対応加算の単位数は、すべての事業所で94単位/回です。
この単位数に、後述する地域単価を乗じて報酬額が算出されます。
お住まいの地域の正確な単価については「就労継続支援B型の地域単価は?地域区分、1単位あたりの単価【令和6年度報酬改定】」にて詳しく紹介しています。
1級地からその他地域までの詳細な単価一覧や、令和6年度改定で区分が変更された自治体の情報もあわせてご確認ください。
算定に必要な事前の届出
欠席時対応加算は他の加算と異なり、事前の届出は不要です。
算定要件を満たしていれば、報酬請求の中で算定できます。
ただし、実地指導の際には「算定要件を満たしている」と証明できるように、記録を残しておきましょう。
参照:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示
【取りこぼし注意】欠席時対応加算の「正しい考え方」と回数上限

欠席時対応加算は、障害福祉サービスの加算のなかでは比較的取得しやすい加算です。
一方で、利用者様1人につき算定できる回数が決まっている上に、利用者様本人やご家族から欠席連絡を受けただけでは算定されません。
欠席時対応加算の考え方を理解すると、記録の不備による過誤返戻(申請した内容を差し戻し、再度請求すること)を防ぎ、正しく加算を取得できます。
以下より詳しく見てみましょう。
算定回数は月4回まで!
欠席時対応加算は、1人の利用者様につき月4回まで算定可能です。
月末の欠席と翌月初めの欠席は別々にカウントされます。
この上限はすべての事業所で適用されているため、回数を超えないように注意しましょう。
欠席時対応加算は、きちんと数えているつもりでも、うっかり数え間違えたり、記録していなかったりするもの。
knowbeでは、加算管理を含む請求業務を効率化し、取りこぼしを防ぐノウハウをまとめた資料(無料)を提供しています。
請求業務の負担軽減と正確性向上のために、ぜひご活用ください。

計算方法
欠席時対応加算の報酬額は、単位数(94単位)× 欠席回数 ×地域単価で求められます。
地域単価については、以下の表をご覧ください。
地域区分(該当する地域の例) | 単価(円) |
|---|---|
1級地(東京23区) | 11.14 |
2級地(横浜市、大阪市など) | 10.91 |
3級地(さいたま市、千葉市など) | 10.86 |
4級地(名古屋市、神戸市など) | 10.68 |
5級地(広島市、福岡市など) | 10.57 |
6級地(仙台市など) | 10.34 |
7級地(札幌市など) | 10.17 |
その他の地域 | 10.00 |
参照:大阪府国民健康保険団体連合会「○ 令和6~8年度における地域区分の適用地域(障害者サービス)」
モデルケースとして、以下の就労継続支援B型事業所の欠席時対応加算を計算してみましょう。
地域単価はすべて10円とします。
モデルケース1:1ヶ月に欠席した利用者様が1名の場合 |
計算式)94単位×10円×3回=2,820円 |
また、月に複数の利用者様が欠席した場合、計算式は以下のようになります。
モデルケース2:1ヶ月に欠席した利用者様が複数名いる場合 |
計算式)94単位×10円×(4+2+1)回=6,580円 |
算定する際の注意点とポイント
欠席時対応加算は、以下の場合は算定できないため注意しましょう。
欠席時対応加算が算定できないケース |
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欠席時対応加算は、利用者様の状況確認や次回利用に向けた調整などを行い、その内容を記録しなければなりません。
欠席時対応加算の考え方を正しく理解すれば、請求ミスをなくし、過誤返戻を防げるでしょう。
過誤返戻は、事業所のキャッシュフローに悪影響を与えるだけでなく、実地指導での指摘事項にもなり得ます。
事業所運営において注意すべき「6つのリスク」とその予防策をまとめた資料(無料)をご用意しましたので、監査への備えにご活用ください。

【請求ミスを防ぐ】欠席時対応加算の「3つの必須要件」と対応例

社労士 涌井好文のコメント:
欠席時対応加算は、ただ事業者側が欠席に対応すれば良いというものではなく、記録が必須となっています。記録がない場合には加算の対象外となってしまうだけでなく、対応を記録に残さない不誠実な事業所であるとの印象を利用者に与えかねません。加算のためだけでなく、事業所の利用者に対する真摯な姿勢を示すためにも正確な記録が重要です。
欠席時対応加算は、以下の条件をすべて満たしている場合に算定できます。
欠席時対応加算の算定要件 |
|
参照:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示
先ほどからお伝えしているとおり、欠席時対応加算は利用者様が欠席しただけでは算定できず、事業所が支援内容を記録しなければなりません。
しかし「連絡調整や相談支援って何をすればいいの?」「どんなことを記録すれば加算がもらえるの?」という方もいるかと思います。
以下より、欠席時対応加算の算定要件について、さらに詳しく見てみましょう。
当日~2営業日前までに利用者様本人またはご家族から欠席の連絡を受けること
欠席時対応加算の要件として「利用予定日の当日・前日・前々日(2日前)までに欠席の連絡を受けること」が挙げられます。
つまり、利用予定日の3日以上前や当日以降に連絡があった場合は算定できません。
具体例として、以下の就労継続支援B型のケースを見てみましょう。
モデルケース |
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例1)利用者様が3月19日(水)に「3月21日(金)は欠席します」と連絡した場合 →利用予定日の2日前に連絡したため、欠席時対応加算が算定できます。 |
例2)利用者様が3月21日(金)に「3月24日(月)は欠席します」と連絡した場合 →土曜日・日曜日を挟んで1日前に連絡したため、加算が算定できます。 |
算定する際は、連絡日と利用予定日の組み合わせにご注意ください。
利用者様本人またはご家族との連絡調整・相談援助を行うこと
社労士 涌井好文のコメント:
欠席時対応加算の算定には、連絡や相談援助が求められますが、これは、直接的な訪問による対面支援に限定されるものではありません。電話による連絡等であっても対象となります。ただ、この場合には対面による場合に比べて、利用者の状況が把握しづらくなっているため、正確な状況の把握に努めましょう。
欠席時対応加算を算定するためには、事業所側から利用者様またはご家族に対して、何らかの連絡調整や相談援助を行う必要があります。
例えば、就労継続支援B型事業所では、以下のような対応が求められるでしょう。
就労継続支援B型で求められる連絡調整・相談支援の例 |
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欠席時対応加算を取得するには、利用者様の状況に応じた具体的な支援や相談を行うことが重要です。
相談援助の内容を正確に記録すること
欠席時対応加算を算定するには、相談援助の内容を正確に記録しましょう。
適切な対応を行っていても、記録が不十分だと加算が認められない可能性があります。
対策として、記録を統一したフォーマットで管理すると、実地指導時にも安心です。
記録の考え方としては、第三者が見ても「どのような対応をしたか」が明確に分かるように記載しましょう。
具体的な記載事項は、次の章でご紹介します。
なお、記録の不備は、実地指導において「報酬返還」を求められる大きな要因の一つです。しかし、事業存続に関わるリスクは記録だけではありません。
一見順調な事業所でも見落としがちな「6つのリスク」と、その予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。万が一の指摘に備え、健全な運営体制を作るためのガイドとしてご活用ください。

実地指導で指摘されやすいポイントや当日の流れについては「実地指導とは?監査との違いや当日の流れ・必要書類・事前対策について解説【障がい福祉サービス】」にて詳しく紹介しています。
記録の整合性や、事前に準備すべき書類のチェックリストを活用し、万全の対策を整えましょう。
実地指導で慌てない!欠席時対応加算の正確な記録事項と具体例
欠席時対応加算の考え方として重要なのは、利用者様への支援を継続的に行うことです。
この考え方を実践するためには「どの利用者様に・いつ・どのような対応を行ったか」を詳しく記録する必要があります。
以下より、欠席時対応加算で記録すべき事項と実際の記録例をご紹介します。
記録の書き方にお悩みの方は、ぜひご参考にしてください。
記録事項
社労士 涌井好文のコメント:
欠席時対応加算における記録には決まった様式はないため、事業所が自由に作成できます。そのため、インターネット上に公開されているテンプレートを利用することもひとつの手段です。しかし、そのテンプレートが事業所の状況に合っているとは限らないため、注意が必要となります。
欠席時対応加算を算定するためには、以下の項目を必ず記録しましょう。
欠席時対応加算で記録する項目 |
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実施した相談援助の内容については、「体調確認」などの簡潔な記載ではなく、どのような会話をしたか、どのようなアドバイスをしたかなど、具体的に記載しましょう。
記録例
欠席時対応加算の記録例は、以下のとおりです。
この例を参考に、各事業所の状況に合わせた記録を作成しましょう。
欠席時対応加算の記録例 |
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欠席時対応加算を取る場合、先ほど紹介した項目をすべて記載する必要があります。
しかし、事業所によっては、記録業務のやり方が職員間でバラバラなところもあるでしょう。
記録に必要な項目がうまく引き継ぎされないと、実地指導時に追求されるだけでなく、新しく入ってきた職員の育成につながらない可能性もあります。
そんな課題を解決するのが、knowbeの「記録機能」です!
knowbeの支援記録では、実績に連動して入力項目が変わるため、記録の不備を未然に防げます。
またknowbeでは、記録管理の効率化と職員間の品質統一を実現するポイントをまとめた資料(無料)を提供しています。記録業務の属人化にお悩みの方は、ぜひダウンロードしてご確認ください。

【注意】誤って算定してしまった場合は早めに過誤手続きを
社労士 涌井好文のコメント:
欠席時対応加算は、比較的容易に取得できる加算であり、多くの事業所で活用されています。しかし、取得が容易である反面、指導の際の指摘も多くなっています。誤りがないことが最善なのはもちろんですが、万が一に備え、誤った算定を行った際の手続きを理解しておきましょう。
欠席時対応加算を誤って算定してしまった場合、監査時に指摘を受けやすいでしょう。
要件を満たさないまま加算を請求してしまった場合は、速やかに過誤返戻を行う必要があります。
過誤返戻の手続きの流れは、以下のとおりです。
- 速やかに県や市町村の担当窓口に連絡し、過誤申立の方法を確認する
- 過誤申立書に誤って算定した欠席時対応加算の詳細(利用者名、日付、単位数など)を記入する
- 過誤申立書に正しい請求内容を明記する
- 担当窓口に提出する
誤算定を防ぐためには、欠席時対応加算の考え方と算定要件を事業所全体で共有しましょう。
そして、職員研修やチェックリストの作成、ダブルチェック体制の構築などの再発防止策を講じる必要があります。
このような対策を行った結果、記録・請求作業に数時間かかることも珍しくありません。
事務作業に時間を取られてしまうと、本来やるべき利用者様の支援に手が回らない場合もあるでしょう。
knowbeは、タイムカード・支援記録を1つのソフトでまとめて管理し、貯まった実績をもとに請求書類を自動作成するため、記録・請求業務にかかる時間を大幅に短縮できます!

「過誤」と「返戻」の違いや、具体的な手続きの流れについては「返戻とは?事業所への影響・通知対応の流れ・エラーコード例や対処法など」にて詳しく紹介しています。
支払い確定後に誤りが判明した場合の過誤申立の手順や、自治体への連絡タイミングなどを整理し、スムーズな修正対応にお役立てください。
よくある質問Q&A
欠席時対応加算について、よくある質問をまとめました。
障害福祉サービスでは、欠席時対応加算の考え方や適切な算定方法に迷うケースが少なくありません。
以下の回答を参考に、欠席時対応加算の考え方を身につけていきましょう。
Q.1回の連絡で3日分(当日・翌日・翌々日)の欠席連絡を受けた場合、算定できますか?
A.1回の連絡で複数日分の欠席連絡を受けた場合でも、算定できるのは連絡調整や相談援助を行った1日分のみとなります。
例えば、利用者様から1回の電話で当日と翌日の欠席連絡を受けた場合、2日分の加算は算定できません。
欠席時対応加算の考え方として重要なのは「連絡を受けた回数」ではなく「相談援助を実施した回数」です。
したがって、翌日分についても別途相談援助を行い、その内容を記録した場合のみ、追加で算定できます。
参照:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1
このように、欠席時対応加算は算定ルールが細かく、誤った解釈で請求を続けると、実地指導において「多額の返還金」を求められるリスクがあります。
一見順調な事業所でも見落としがちな「6つのリスク」とその予防策をまとめた資料(無料)をご用意しました。ルールの確認とあわせて、自社の運営体制を守るためのチェックリストとしてご活用ください。

Q.急病以外でも算定できますか?
A.欠席時対応加算は急病以外の理由でも算定可能です。
欠席理由としては、利用者様本人やご家族の急病のほか、家族・親戚の法事、天候不順などの理由も認められています。
欠席時対応加算の考え方として重要なのは、本人に通所の意思があることです。
本来なら通所する予定だったにもかかわらず、本人ではどうしようもできない事情によって通所できなくなった場合に算定されます。
したがって、最初から欠席する予定だった場合は算定できません。
また、送迎間違いなどの事業所側の都合によるキャンセルの場合も対象外です。
記事のまとめ
欠席時対応加算は、利用者様が急に欠席した際にも継続した支援を行うための加算です。
就労継続支援B型事業所をはじめとする通所系サービスが対象となっています。
欠席時対応加算を取得するには、利用者様やご家族との連絡調整をていねいに行い、相談援助と記録・報告をしましょう。
具体的には、以下の項目を記載する必要があります。
- 欠席の連絡を受けた日時
- 連絡を受けた職員名
- 連絡者名(利用者様本人または家族など)と続柄
- 利用予定日
- 欠席理由
- 利用者様の当日の状況
- 実施した相談援助の内容
- 次回の利用予定日
- 連絡手段(電話、メールなど)
欠席時の対応は、利用者様との信頼関係の構築にもつながります。
欠席時対応加算の考え方を今一度見直し、より質の高い障害福祉サービス提供を目指しましょう。
社労士 涌井好文のコメント:
就労継続支援事業等の障害福祉サービスは、障害を持つ方にとって心強い支援です。しかし、体調の変化や急病など、利用者の予定に変更があり、やむを得ず欠席となる場合も多くなっています。そのような場合には、事業所側が利用者や家族に対して適切なフォローアップを行うことが必要です。
欠席時対応加算は、利用者が事業所を継続的かつ安心して利用するために重要な仕組みです。事業所が欠席時に連絡調整・相談援助を行うことで、適切に状況を把握することが可能となり、次回の利用にもつながります。事業所の適切かつ迅速な対応の評価が欠席時対応加算であり、この加算が利用できるということは、利用者や家族にとって安心できるサポートを提供しているといえるでしょう。支援記録作成をサポートするソフトを使えば、より適切なサポートが可能となります。





